育成就労制度とは、技能実習制度に替わって、新たに設けられる外国人材を雇用する制度です。

 現行の技能実習制度は、技能移転による国際貢献を目的とする制度ですが、育成就労制度は、この目的を抜本的に見直し、人手不足分野における人材の育成・確保を目的として掲げた新制度に生まれかわろうとしています。

育成就労制度の3つのビジョンと実現の方向性

外国人の人権保護

 現行の育成就労制度では、1号から2号にかけての3年間は本人意向の転籍は禁止となっていることが、人権侵害に繋がっているという批判がありました。

 育成就労制度においては、原則1年(職種によっては2年まで)の転籍制限期間を終え、一定の技能・日本語レベルに達している場合には、本人意向の転籍が認められることになります。

※令和6年11月からやむを得ない事情による転籍の運用が改善されています。詳細はこちら

外国人のキャリアアップ

 技能・知識の向上を客観的に確認できる仕組みを設け、キャリアアップの道筋を明確化していくことになります。キャリアアップの道筋の詳細はこちら

安全安心、共生社会 

 日本語能力を段階的に向上させる仕組みを構築することになっています。

育成就労制度施行までのスケジュール

 平成6年6月に、第213回通常国会において法案が可決され、技能実習制度は、育成就労制度へと生まれ変わることが決まりました。そして施行は令和9年4月頃と言われており、この間の検討スケジュールは以下のような予定となっています。

◆令和6年12月  有識者会議・専門家会議の設置

◆令和7年  3月  基本方針閣議決定

◆令和7年12月頃 分野別運用方針決定

◆令和8年 春頃 事前申請開始  

◆令和9年4月頃  制度スタート 

育成就労制度の概要

 人手不足分野において、3年間の就労を通じて外国人に技能を修得させ、特定技能1号に移行する人を育てる制度です。

出典;厚生労働省 改正法の概要(育成就労制度の創設等)

育成就労制度の関係機関

 技能実習制度から育成就労制度への移行に従って、各関係機関は以下のように置き換わり、役割の明確化が図られます。

技能実習制度 育成就労制度
外国人技能実習機構 外国人育成就労機構
監理団体 監理支援機関
実習実施者 育成就労実施者
技能実習生 育成就労外国人

受け入れ対象分野と人数

 育成就労制度は、人手不足分野において、3年間の就労を通じて外国人に技能を修得させ、特定技能1号に移行する人を育てる制度です。従って対象分野は、人材を確保することが困難な分野となり、特定技能の受け入れ対象分野と原則一致させますが、国内での育成になじまない分野については対象外となります。具体的には、今後示される予定の、分野別運用方針で、人手不足の状況を踏まえて受入れ対象分野を定めることとなります。

 各分野の受け入れ人数は、原則として5年ごとの受入れ見込数を示し、これを上限数として運用されることとなります。

 各育成就労実施者ごとの人数枠の設定は、技能実習制度の受け入れ人数枠の考え方をベースに検討される見込みです。